乙女同士の恋愛を繊細に描写することで人気を集めながらも、
メディアに一切露出がない謎多き百合小説家、五百雀いおじゃくつむぎ。
その正体は、久瀬尚文くぜなおふみという男性だった。
しかし、そんな彼も現在スランプの真っ只中。
ある出来事が切っ掛けで、1年近く執筆がストップしている状態だった。
煮詰まった時のとっておきの打開策である『女装』を試みるも、成果はなし。
そんなとき、尚文の姉で、担当編集でもある諒香から、作品作りのインスピレーションを得るための手段として、
「女子寮の管理人をする気はないか」と提案される。
ある名門女学園の学生寮が、急な改築工事をすることになったため、仮設寮の寮母を探しているという。
反論むなしく『寮母』として、
住み込みで働くことになってしまった尚文。
彼――もとい彼女は、文森菜桜という女性として、
3人の女学生とひとつ屋根の下で生活することに。